1981

この年を彩るキーワード
ポートピア’81・オレたちひょうきん族・ガンプラブーム・スペースシャトル打ち上げ・ノーパン喫茶・なめネコ・ブリッ子・校内暴力
一般曲の主なヒット曲(国内)
ルビーの指環 (寺尾聰)・セーラー服と機関銃 (薬師丸ひろ子)・ハイスクールララバイ(イモ欽トリオ)・ギンギラギンにさりげなく(近藤真彦)
一般曲の主なヒット曲(海外)
Physical (Olivia Newton-John)・Rapture (Blondie)・Private Eyes (Daryl Hall & John Oates)

 

裸足のフローネ
(家族ロビンソン漂流記ふしぎな島のフローネ OP)

歌・潘恵子
作詞・井上かつお 作曲・井上かつお 編曲・青木望

潮風を頬にうけ 裸足で駆けてく
振り向けば白い砂 わたしの足跡


名劇は曲的には1980年に既にターニングポイントを迎えていて、この年の『トム』からレコード会社がコロムビアからキャニオンに変わった。それに伴い、主題歌の路線も『マルコ』に代表されるような物語舞台の民族音楽を取り入れた正統派から、かなり歌謡曲寄りの曲調に移行。しかし、それでも曲の良さが変わらないのはさすが。この曲は最初の「し・お・か・ぜ・を」の出だしで決まった。潘恵子は作品に出てないのに主題歌を歌うという、林原めぐみ状態。何でもフジテレビからのプッシュがあったそうで。この鼻にかかった甘え声は何とも言えず魅力がありますな。EDもグッド。フローネ達が島を離れる時に流れる古谷徹の挿入歌も印象的だったね(この作品は全部見たので挿入歌のことも話せる)。(P)



最強ロボダイオージャ
(最強ロボダイオージャ OP)

歌・たいらいさお、ザ・ブレッスン・フォー
作詞・伊藤アキラ 作曲・渡辺宙明 編曲・渡辺宙明

最強ロボ(最強!最強!最強!最強!)
最強ロボ(最強!最強!最強!最強!)
最強ダイオージャ


曲自体はストレートなロボット主題歌って感じで、普通。しかし、作品が「水戸黄門もの」ということで。「こちらにおわすお方こそ、おそれ多くもミト王子!さがれさがれさがれさがりおろう!カモンカモンカモン、ダイオージャ!」という歌詞に引きつけられっぱなし。これや小学生社長の『トライダーG7』が、ガンダムの後番組というのですから、ファーストガンダムがどれほど進んだ番組だったかわかりますなっ。しかし、問題は当時の僕はトライダーやダイオージャの方が面白く見ていたってことですがなっ。(P)

ダイオージャの主題歌はわりとメジャーなわりに、音源としてはCD何十枚組のアニソン大全集的なBOXにしか収録されてなかった上、古川登志夫の甘ったるいラブソング・『「HEARTへようこそ」(作詞はびっくり、亜蘭知子)など挿入歌に至っては当時のレコードのみ、とかなりレアな扱いだったんですが今はiTunesであっさり全曲手に入ります
いや〜、いい時代になったもんですね!(は)




太陽戦隊サンバルカン
(太陽戦隊サンバルカン OP)

歌・串田アキラ、こおろぎ'73
作詞・山川啓介 作曲・渡辺宙明 編曲・渡辺宙明

イーグル! シャーク! パンサー!
おれたちの魂も 燃えている
Follow The Sun Catch The Sun


上に続いて、宙明ソング。渡辺宙明は良い感じに80年代にもアジャストしているというか。まあ、いつものメロディに「ピューン!」って言う電子音が入っているだけなんだけどさ。でも、その一点だけで『ムテキング』のOPとかめちゃくちゃ印象深くなっている。「型」がある人ってのは有利ですね。この曲も、もうイントロから最高ですわ。串田アキラのファンキーさよ!(P)



黄金戦士ゴールドライタン
(ゴールドライタン OP)

歌・宮内良
作詞・山本正之 作曲・山本正之 編曲・チト河内

変わるんだ変わるんだ 無敵のロボに
ゆくぞ黄金戦士 ゴールドライタン


正直、山本正之のOPはほとんど外れがないと思う。80年代初頭は(この人なりに)全盛期ですわ。この曲に関してはアレンジャーの力や作品の絵面のインパクト大きいと思いますが。でもやっぱり名曲。上のサンバルカンでもそうだけど、この頃の曲は曲自体は70年代のフォーマットで、それに電子楽器をちょこっと加えて「何となくナウ」感をとってつけるというものが多いですな。個人的には映像込みでEDの「メカニカル・ダンシング・ファイト」もめちゃかっちょいいです。タツノコはやっぱりひと味違う・・・。(P)



心をゆらして
(ドラえもん のび太の宇宙開拓史 ED)

歌・岩渕まこと
作詞・武田鉄矢 作曲・菊池俊輔 編曲・菊池俊輔

やっと気づいてくれたのですか
昨日落としてしまったものを
それがなんだか分かませんが
とっても大事なものだと


数々の名曲(後半迷曲)を生み出したドラえもん劇場版ですが、オリジナルの主題歌がついたのがこの作品から。この曲も「ポケット」だの「タケコプター」なしのイメージソングですが、子供時代のノスタルジーが漂う名曲です。この『宇宙開拓史』はドラ映画のなかでダントツの最高傑作だと思う訳でして(反論不可)、主題歌も自動的にランクが上がります。ドラ映画というのは最後に絶対「別れ」があり非常に切ないものですが、そこにこの曲が流れるともうダメっす、僕は。(P)



青春の終章〜Joe forever〜
(あしたのジョー2劇場版 ED)

歌・ジョー山中
作詞・ジョー山中 作曲・ジョー山中 編曲・チト河内

Hey Joe!, I remember
自分を信じて戦う姿は、今も心の中に
I remember you forever
憎しみも愛も 全てを拳に懸けた男の姿
I remember you forever


寺山修司作詞の「力石徹のテーマ」や荒木一郎・おぼたけしの男の渋さが炸裂する「傷だらけの栄光」「MIDNIGHT BLUES」「果てしなき闇の彼方に」・・・。『あしたのジョー』はアニソン好きなら全ての曲を聴いてもらいたいほどの素晴らしいシリーズなんだけど、年代の切り方の都合で最後のこの曲しか紹介できないのです。残念。この映画もOPからして出崎統の男の息吹きが溢れる名作でした。そして、例のラストシーンに流れる曲がこれ。荘重で、しかもエモーショナルな男のレクイエムですわ。しかし、ここで注意はこの曲を聴く前に、同じくジョー山中が歌う角川映画の「人間の証明」の主題歌を聴かないこと。似すぎててヒクので。にしても、ジョー山中とは贅沢な人選ですな・・・フラワー・トラヴェリン・バンドですよ。こういう渋いかっこよさが溢れる曲が、今のアニソン界足りなさすぎるっ。(P)



ザ・チャンバラ
(まんが水戸黄門 OP)

歌・塚田三喜夫
作詞・荒木とよひさ 作曲・土持城夫 編曲・羽田健太郎

チャンバラ チャンバラ
魂よ 魂よ 今燃えろよ
チャンバラ チャンバラ
そいつが男達の生きざま


昔は子供にも人気があった時代劇、とは言え当時のアニメ誌でも明らかに浮いてる大胆企画アニメ水戸黄門。この年は前述の通りダイオージャも放送中で、まさに黄門ブームだったのか〜ッ?一応お供の忍者が少年だとか、格さんがたすきをかけると封印された力が目覚めるというアニメっぽいフィーチャーは盛りこまれてましたが。
歌は今でもミュージカルで活躍中の塚田三喜夫、「青春はいつも出会いと別れ……心のペィジに何かを残せ〜♪」と水戸黄門にあるまじき青春ソングを色気たっぷりに歌い上げてます。この曲、編曲およびEDの作曲は羽田健太郎なんでOPもそうだと思いこんでたら、実は(個人的にはウルトラマンAでおなじみ)『ハチのムサシは死んだのさ』の編曲、土持城夫でした。『トリビアの泉』でネタにされたおかげで有名となり、カラオケには入ったものの未だにCD化されていないのでCSの放送などでチェックしていただきたい。(は)




哀戦士
(機動戦士ガンダムII 哀戦士篇 TM)

歌・井上大輔
作詞・井荻麟 作曲・井上大輔 編曲・ 井上大輔

死にゆく 男たちは守るべき女たちに
死に行く 女たちは愛する男たちへ
何を賭けるのか 何を残すのか
I pray, pray to bring near the new day


説明不要。こんなにアニメと縁遠い暮らしをしてきた僕ですら、この映画のCMでこの曲が流れた時のインパクトは忘れられません。『ガンダム』が子供向けアニメからの離脱したことを宣言するような一曲、ある意味で今に繋がるガンダム像を象徴するような重要な作品。本当なら同年公開の『1』から井上大輔が歌うべきだった。たかじんの歌じゃあ、時代は変えられなかったってことですわな。しかし、このぐらいのランクの作品になると、たかじんであろうと、「シャアがくる!」であろうと、何かしら切り口ができて名曲扱いしようと思えばできるところが恐ろしい。もう一つの挿入歌の「風にひとりで」も言うまでもなくマスト。(P)



SAYONARA
(さよなら銀河鉄道999 -アンドロメダ終着駅- TM)

歌・メアリー・マクレガー
作詞・メアリー・マクレガー 作曲・ブライアン・ウィットカム、メアリー・マクレガー

SAYONARA, sweet memories
It's goodbye
SAYONARA, Don't look back
Don't tell why


しかしまあ、次から次へと有名作が出てきますね、この頃は・・・。この曲に関しては既にレビューした通り。カーペンターズに通じるエバーグリーンの香り漂う名曲。メアリーマクレガーは前年の世界歌謡祭でグランプリを獲った(この年はかなり良いメンバーが揃ったなかでの受賞だった)女性歌手。全米ナンバーワンヒットも持っている大物だが、コロムビアの伝説的ディレクター木村英俊がアメリカに乗り込み、少ないギャラにもかかわらず見事口説き落として歌ってもらった。このエピソードが書かれている自著のなかで木村氏はアメリカのミュージックビジネスとスタジオワークの成熟ぶりに大きな感銘を受けているのだが、この曲はまさにそういう当時のアメリカ音楽界の実力をまざまざと見せつける一曲。
「999」も主題歌が優秀なシリーズ(「銀河鉄道物語」はまあいいとして)。歌が作品イメージも決定しているという点で、主題歌の貢献度は大きい。「ロマン」という言葉を使ってもスベらないのは、松本零士だけ。(P)




ピョン吉・ロックンロール
(新ど根性ガエル OP)

歌・とんねるず
作詞・横浜銀蝿 作曲・横浜銀蝿 編曲・小六禮次郎

カエルも色々あるけど この世で一匹
どどどどどど ど根性ガエル


とんねるずってこんなに昔からいたのか、と変な感慨を抱く一曲。この曲はマイナーメジャーの代表曲かも知れません。OP映像ともよく合った非常に軽快かつ覚えやすいロックンロール。作詞作曲はこの年大ブレイクした横浜銀蠅。銀蠅の曲ってのは、非常にアニソン的・ノベルティ的なインパクトがあって、アニメ主題歌向き。「奇面組」の主題歌とか歌えば良かったのになぁ。(P)



六神合体ゴッドマーズ
(六神合体ゴッドマーズ OP)

歌・樋浦一帆
作詞・三浦徳子、小田裕一郎 作曲・若草恵 編曲・若草恵

危険な奴らが来る 宇宙の暗闇から
さあ目を覚ましてくれ 正義の使者ガイアー


マーズの飛び方ともだえ苦しむ主人公が印象深かったこのアニメ。上で書いた「ピューン!」という安い電子音の代表格がこれ。結構ストレートな曲なんだけど、その「ピューンピューン」って効果音一つで強力なフックができている。まあ、この曲はアニメ主題歌といえば出てくる有名曲なので説明はいいかも知れませんが。むしろ、EDの「愛の金字塔」の方がメジャーだったりして。カラオケの定番。若草恵は名劇ファンにはおなじみの劇伴作曲家だが、主題歌はこれがほぼ唯一の曲。良い仕事した。(P)



バケツのおひさんつかまえた
(じゃりン子チエ OP)

歌・中山千夏、大野進
作詞・はるき悦巳 作曲・惣領泰則、風鳥花梨 編曲・惣領泰則

ウチのカバンに おひさんひとつ
あしたのぶんの おひさんひとつ
あぶらのケムリが スリガラス
バケツのおひさん つかまえた


高畑勲の最高傑作の一つ、「チエちゃん」の主題歌。この曲は、人に聴かせるとかなり反応してもらえる(特に関西人)記憶の隙間に入っている感じの曲。童謡的と言っていいのか、祭り囃子のような太鼓の音から始まる独特の民謡的曲調で、「トラのふんどし ヒグマのパッチ〜」というデタラメそのものの歌詞と相まって非常に印象は強い。マンガのなかでテツが歌っているあの歌詞によく曲を乗せたものだと感心。作品との親和性と高い音楽性は高畑作品らしい。国会議員・中山千夏も元歌手だけあって達者な歌を聴かせてくれる。続編の「チエちゃん奮戦記」のOP「絶唱!!とっぴんしゃん音頭」もこれまたアホみたいな曲なんだけど、歌はよかった。ちなみに、「アベノ橋魔法☆商店街」のEDで林原めぐみが歌っていた「あなたの心に」は、中山千夏の昔のヒット曲のカバーどす。
作曲の惣領泰則は現在沖縄でアーティストレーベルとタレントスクールのようなものを開いていて、オレンジレンジも通っていたそうな。 (P)




太陽の子ら
(銀河旋風ブライガー IN)

歌・山形ユキオ
作詞・山本優 作曲・山本正之 編曲・山本正之

ビカビカビカビカ 輝く命
ギラギラギラギラ 燃えあがる青春
オレたちは兄弟 オレたちは恋人
太陽の子ら


おそらく、タイムボカンと並んで山本正之の最高の仕事群、J9シリーズ。その最初の作品『プライガー』。作品の方は必殺仕事人をSFロボ世界で展開する独特なものだったが、主題歌も演歌をロックサウンドに乗せたような仕上がりで、一見死ぬほどダサいのだが、そこは山本正之節、めちゃくちゃやけど何かかっちょええやんけ!という説得力のある作品になっていた。この後の仕事ではこの曲調は余り見られないので、J9シリーズは非常に価値が高い。
ここで取り上げたいのは、挿入歌の「太陽の子ら」。これはシリーズのエネルギーのアッパーな部分を凝縮したような出来で、男臭さ炸裂の曲。今の影山ヒロノブ系のハイエナジー男声系とはベクトルが違う、どうにも酒焼けしたような世界で今の耳には新鮮だ。J9のボーカル陣は男も女もハスキーかつソウルフルな連中ばかりで、一際異様な空気を放射している。アキバ系とは百万光年離れた、新宿〜新大久保系アニソンと言ってもいいだろう。(P)




私はマチコ
(まいっちんぐマチコ先生 OP

歌・今田裕子
作詞・佐々木勉 作曲・佐々木勉 編曲・佐々木勉

いつもバラ色に燃えて この胸ときめく
つぼみから花へ 私はマチコ
イェイイェイ


もうこれは曲はどうでもいいっす!とにかく、OPの映像が凄すぎた。怒濤のセクハラ攻撃に、常に笑顔のマチコ先生。裸にむかれようとも、シャワーを覗かれようとも、胸に触られようとも、ちぃとも、嫌がってません。この無防備さ。あまつさえ、町中の建物から男どもが物欲しそうな目で見つめるなかを、ランニングとホットパンツ(時代だね!)で走り抜ける。もはや、白痴美。これがゴールデンタイムのアニメ。しかも視聴室20%台!何とまあ、おおらかな時代だよねぇ・・・。(P)



ラムのラブソング
(うる星やつら OP

歌・松谷祐子
作詞・伊藤アキラ 作曲・小林泉美 編曲・小林泉美

あんまりそわそわしないで
あなたはいつでもキョロキョロ
よそ見をするのはやめてよ
私が誰よりいちばん


そして、この年のトリはやはりこの曲。
前年にヒットしたジューシイフルーツの「ジェニーはご機嫌ななめ」を彷彿とさせるテクノポップ曲の強いコズミック・ラテン・ナンバー。この曲はゴッドマーズのような新しいモノの取り入れ方とは全く違い、曲全てが新規な流れのなかにあって、以前のアニソンとの間に明らかな断層を感じる。この曲を皮切りに「うる星」はアイドルソングあり、ハードロックあり、英語曲あり、クラシックあり、キャラソングありと、あらゆるジャンルをなで切りし、アニソンの地平を一気に広げて一般化した。オープニング、エンディング合わせて15曲は当時としては破格。シリーズ後半の作画がいいだけの自己満足&内輪受け内容+改編ごとの主題歌変更はまさに今のオタクアニメを先取り。『マクロス』と『うる星』を通して今のアニメ界の成り立ちを検証する、なんて論文が書けるんではなかろうか。(P)

 

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