1984

この年を彩るキーワード
グリコ・森永事件・ロサンゼルスオリンピック・新札発行・くれない族・ソープランド・ピーターパン症候群・まる金・まるビ
一般曲の主なヒット曲(国内)
涙のリクエスト (チェッカーズ)・長良川艶歌 (五木ひろし)・ふたりの愛ランド (石川優子とチャゲ)・雨音はショパンの調べ (小林麻美)・ケジメなさい (近藤真彦)・Never (Mie)・ふられ気分で Rock'n Roll (TOMCAT)
一般曲の主なヒット曲(海外)
Like A Virgin (Madonna)・Jump (Van Halen)・Footloose (Kenny Loggins)・I Just Called To Say I Love You (Stevie Wonder)・Karma Chameleon (Culture Club)・Wake Me Up Before You Go-Go (Wham !)

 

SHOW ME YOUR SPACE
(OKAWARI-BOYスターザンS OP)

歌・ポプラ
作詞・古田喜昭 作曲・古田喜昭 編曲・石田かつのり

Show me your space 君の宇宙は
Show me your space レインボーカラー
Show me your space
目眩するほど きれい


またも、古田喜昭。これもOPED以外作品は未見だが、頭身がコロコロと変わるキャラが印象的なOPで、タジャレタイトルと相まって非常にタツノコらしいものだった。タツノコは今でこそ何でもない会社だが、昔は何をやっても異彩を放つ独立峰で、OPEDの映像もハイブローな色使いと、酔っぱらいが考えたような脱力ギャグセンスが絶妙の食い合わせを見せるものが多い。そして、宇宙を舞台とするこの作品の主題歌はスペイシーで華麗な雰囲気満載。古田喜昭による『コブラ』という風情で、スペースオペラ的気分を盛り上げる。EDも、サスライガーを歌ったMOTCHINことアイ高野(元ゴールデンカップス)がエルビスボイスで歌う「恋する気持ちはドーナツのなか」、ハッピーなラテンポップの「サルサパラトピア」とそれぞれ素敵な出来。全て古田喜昭作曲。ホントに、古田氏の曲は「チャーミング」という表現がピッタリですな。(P)



Love with you 〜愛のプレゼント〜
(牧場の少女カトリ OP)

歌・小林千絵
作詞・伊藤薫 作曲・三木たかし 編曲・鷺巣詩郎

Love with you 誰もみんな始め一人ぼっち
Love with me そして いつか愛する人に包まれて
星の中 寄り添いたい 幸せ紡いで行くの


『ナウシカ』、『うる星2』、『マクロス』という超ド級作品が3つも劇場公開された1984年という年は、おそらくアニメ史でももっとも重要な年、実りが多い1年とされる年だと思う。しかし、そういう年に我らが名作劇場は最大の低迷期を迎え、シリーズ打ち切りの危機に。トラウマドラマ『アンネット』で散々視聴者を引かせておいたところに、無名の原作をこれ以上ないぐらいに地味に描いた『カトリ』は全く支持を得られなかった・・・。もっとも、そのビジュアルイメージのおかげで今ではシリーズ随一とも言える熱心な固定ファンがついておりますが。このOP主題歌ももろにアイドルタイアップでありながら、そのOP映像との余りの違和感のなさに、むしろ名劇ソングのなかでも名曲に数え上げられる1曲になっている。
この曲を聴いていると、後のおニャン子と言い、当時のアイドルソングとアニメソングとの親和性を感じずにはいられない。そもそも、この頃は作っているスタッフが歌謡曲とアニソンをかけもちしている人が多かった。タイアップがどうのこうの言っていても『CAT'S EYE』を作っている小田裕一郎は『愛してナイト』でミッチの曲も作っているように、違和感がないのも当然。そこら辺が、後の時代のJPOPとアニソンでスタッフの住みわけが出来ている状況でのタイアップ曲とは、事情が全く違う。(P)




星雲仮面マシンマン
(星雲仮面マシンマン OP)

歌・MoJo、コロムビアゆりかご会
作詞・石ノ森章太郎 作曲・大野雄二 編曲・大野雄二

赤い太陽仮面に燃えて すっくと立った星雲仮面
心に星を持つ男
強く優しい星雲仮面 あれはっ!あれはっ!
あれは僕らのマシンマン マシンマン


「ルパン音頭」ほどではないにしても。この曲は大野雄二作品のなかでは、結構変わり種の1曲。特撮の曲をやることも珍しいのだが、いつでもどこでも自分のスタイルを出してくる大野氏にしては特撮ソングのフォーマットをかなり残した曲を作っている。「強くやさしい星雲仮面、あれは(あれは!)、あれは(あれは!)あれはボクらのマシンマン〜!」というMojoの力強い男声ボーカルと子供のコーラスがかけあう辺りは、超ベタな特ソン形式。その一方で、ブラスのブレイクや、疾走感溢れるストリングは『ルパン』そのもので、確かに大野雄二であるというところも見せてくれる。最初のフレーズは渡辺宙明っぽく、そこからモロに大野調に移り変わるイントロなど、大野雄二がパロディで作ったような曲でなかなか興味深い作品。(P)

『戦国ロックはぐれ牙』でもすわルパン?てな曲ばっかの大野雄二も、このマシンマンはヒーローソング側に歩み寄ったコラボレーションでなかなか新鮮ですな。劇判も同じく傑作揃いなんですが、どうでもいいルパンのアレンジアルバムがいくつも発売される中こちらはまったくCD化される気配ナッシング。かろうじてボーカル曲の大半はやっとCD化され、中でも「電光アクションマシンマン」はMoJoの気合いが入ったシャウトが聴ける主題歌に負けず劣らずの傑作です。是非聞くべし。(は)



ロンリー・チェイサー
(超攻速ガルビオン OP)

歌・田中利由子
作詞・亜蘭知子 作曲・山本正之 編曲・中島正雄

バック・ミラーが映し出す 蒼い傷跡memories 
時間を追いかけてアクセル city chacer, misty chacer
Lonely chacer


山本正之の作品中でも異色の一曲。いつもとは別人ノリなデジタルロック調の曲と、現在でも活躍中のジャズシンガー田中利由子のパワフルかつディフォルメの効いたボーカル、『J9』シリーズの国際映画社作品らしい曲にマッチした映像のトリニティは、とにかくかっこええとしか言いようのない完成度ですわ。ま、本編の作画の方も国際映画社作品らしいズタボロのデキでたがみよしひさのキャラクターデザインの面影もなく、本人もガッカリしてましたが……。
粗製濫造が祟ったのかガンダム以降のロボットアニメブームもそろそろ下火になったこのころ、マサカリかついだガンダムのオモチャを発売してたクローバーが前年に倒産、そしてこの年ガルビオンのスポンサーだったタカトクトイスも倒産して放送は打ちきり、ドミノ式に国際映画社も倒産。タイムボカンシリーズも終わり、この後山本正之はしばらくアニメを離れライブ活動に身を投じます。(は)


すげぇコラボというか、ミス・ビーイング亜蘭知子と山本正之を組ませるとは・・・仕上がりが全く違和感がないってのが一番ビックリするけど。こういうのとかあ〜るくんの「はっぴぃ・ぱらだいす」とか聴いてると、いくら山本正之といえども、自分のフィールド外の音楽もちゃんとチェックしてるんだなぁと、すごく失礼なことを思ってしまう。(P)



風のノー・リプライ
(重戦機エルガイム OP2)

歌・鮎川麻弥
作詞・売野雅勇 作曲・筒美京平 編曲・松下誠

No Reply 琥珀(きん)の砂時計
人はこぼれた砂よ
Say MarkII 優しさが生きる
答えならいいのにね


『サザエさん』OPEDが筒美京平作曲だというのは、意外と忘れられている事実かも知れない。その後の『怪物くん(旧)』でも、プロパーアニソンというか誰が書いてもあんまりかわらんような仕事をこなしていたキング・オブ・歌謡曲だったが、80年代に入って本領発揮。エルガイムは主題歌全て筒美京平作曲。MIOの力強いボーカルが炸裂する1stOP「エルガイム-Time for L-GAIM」も80年代アニメの王道っぽくていいのだが、やはり、2ndOPが最高。軽やかなイントロから、星空を駆け抜ける爽やかな名曲。筒美京平はさすがというか、こういう泣きのないカラっとしたメロディを書いても、日本人好みの感じに仕上がってくる。(P)

曲もさることながら鮎川麻弥のボーカルはまさに爽快。曲数は少ないもののこの時期のアニソン歌手でも白眉かと。映像的にはほとんど前OPの使い回しですが、「ゆびで・そっと・ふれた・ひとは・だあれ〜〜〜〜〜」とバスターランチャーに指を走らせ、それを鷲掴みにしたマークIIの変形シークエンスが流れるシーンは珠玉のデキ。(は)



君はス・テ・キ
(銀河漂流バイファム IS)

歌・ムーヴ
作詞・ありそのみ、萩田寛子 作曲・渡辺俊幸 編曲・有澤孝紀

君は少年
輝いてるその目は 何を見るだろう
初めて知るとまどいさえ 恐れず
君はステキ


実は『バイファム』は前年に放送開始だが、紹介曲の都合でこちらに。『バイファム』はOP曲が全部英語詞。作品内容もストーリー自体は結構荒唐無稽なんだけども、「専門用語」が満載でえもいわれぬハイブロウな空気を漂わせていた。一方、既にサイトのアニメレビューでも書いたように、『バイファム』は子供だけのひと夏の宇宙キャンプという非常に甘酸っぱい面を持っていて、その感覚を1曲で凝縮したのがこの曲。「大人の古い おとぎ噺は 色褪せた アルバムのようなもの あの時のときめきを 確かに思い出せるけど もう二度と感じることは できない」という歌詞で始まるこの曲はバイファムの最終回に流れ、「楽しい季節の終わり」という甘く哀しい感覚をこれ以上なく叙情的に伝えた。作曲は渡辺宙明の息子にして元・赤い鳥、近年も劇伴作曲家で一般ドラマで活躍している渡辺俊幸。『みゆき』の「思い出がいっぱい」と並んで、この時期の2大セピアソングと言っていいと思う。
この曲はボクが中学校の時に、学校の文化祭の合唱コンクールであるクラスが歌い、その余りの素晴らしさに、当時名前も知らなかった『バイファム』の音楽集のLPをレンタルレコードに借りに行ったものです。何だか、今と同じ聴き方しとるっ。(P)




愛はブーメラン
(うる星やつら2 ビューティフルドリーマー ED)

歌・松谷祐子
作詞・三浦徳子 作曲・松田良 編曲・清水信之

あなたの愛はバラダイス くり返す気もないわ
I love you ロ唇かんだ
もしか もしか 愛はもしかして
ほおり投げた ブーメラン


こちらも、この時期のアニメファンにとっては外せない代表作品。『ビューティフル・ドリーマー』は説明不要の有名作であるが、この映画にはOPがない。タイトルすら出ない。そして、映画が終わる最後に、ようやくタイトルが出て、この曲が流れるのだ。うる星の曲にしてはものすごいオーソドックスな歌謡曲で、映画を観ていない人にとってはそんなに印象深い曲とは思えない。しかし、映画を観た人間にとっては、その作品内容のインパクトとともに忘れがたい曲。作曲した松田良は同じくうる星の「トライアングル・ラブレター」も作っている。曲的にはこっちの方が好き。あ、あと、この映画のドラッギーな挿入歌「ラメ色ドリーム」は小林泉美のアニソン最後の名曲なので、これも是非。(P)



とんがり帽子のメモル
(とんがり帽子のメモル OP)

歌・山野さと子
作詞・TARAKO 作曲・古田喜昭 編曲・青木望

リルリトルメモル ちっちゃなレイディ
とんがり帽子に やさしさつめて
きらめく星から 夢色飛行
ようこそかわいい天使たち


再放送で見直してみて、すごく良くできていてビックリした『メモル』。ハートウォーミングなメルヘンストーリーかつ、チビロリ要素満載で、今のオタクアニメに通じる部分を大いに感じる。もっとも、この頃はあくまで女の子向けだったのだろうが。こういう作品に合わせる曲は古田喜昭の独壇場。青木望がアレンジした曲は、頭の「め・も・る」から始まって、メロディもブレイクも流れるようにやってくる。かわいくて、メロディアスで、しかも頭にもしっかり残る。素晴らしすぎる。EDの「優しい友達」も名曲で、こっちの作曲は可愛い曲作りでは負けてなえ巨匠・小林亜星。もう一つ、挿入歌・「メモルのおえかきうた」もメモル(声:渡辺菜生子)による脳みそが溶けそうなロリ声の導入から、マリエル役の安田あきえがラブリー・ハスキーで歌う超可愛い曲でこれもいいっ。かわいい曲をお求めなら、この『メモル』のソングコレクションで決まりですわ。(P)



セクシー・アドベンチャー
(ルパン三世PARTIII OP)

歌・中村裕介
作詞・宮原芽映 作曲・大野雄二 編曲・大野雄二

]It's the time to play the game 熱いときめき
甘いコロンに 火薬の匂い
It's the time to take a chance 派手にキメるぜ
デリシャスな勝利が 俺を待っている


めっちゃくちゃ評判の悪いルパンPart3だが、曲はさすがに良かった。更に評判の悪いテレビスペシャルも主題歌はほとんど大野雄二が作っているので、主題歌に関してだけは一目置ける。このOPも都会的かつ男のロマンを溢れる疾走感の曲で、立派なルパン主題歌と言えるだろう。今までの主題歌に比べると歌の比重が大きいので、カラオケで一番歌えるルパンの曲だ。歌を歌っている中村裕介はむしろ作曲が本業で、アニソンでは『無責任艦長タイラー』や『メダロット魂』なんかを作っていた。ちなみに、「ダイナミック、ダイクマ〜」は中村氏の作曲(歌も)だそうで・・・。(P)



ハートフル ホットライン
(ビデオ戦士レザリオン ED)

歌・かおりくみこ
作詞・吉田健美 作曲・渡辺宙明 編曲・藤田大土

くじけない 遠く離れていても
この想い 二人を結んでる
レモン色の風に吹かれ ゆれる心のホットライン
ふたりだけの ハートフルホットライン


もちろん、作曲家ってのは色んな曲が書けるってのはわかっているんだけど、にしても渡辺宙明という名前からは想像もできない曲。『ムテキング』のED「おれたちゃクロダコブラザーズ」のドゥーワップも十分意外な感じだったが、こんなにも優しい曲が書けるとは・・・・。ことにOPがメタルシリーズさながらの思いっきりベタな宙明ソングなだけに、ものすごい差。しかも、すげー良い曲。巨匠と呼ばれる人のキャパシティの大きさを改めて思い知る一曲。
しかしまあ、驚くのはまだ早くって『サザエさん』の再放送版のOP「うっちと〜おんなじね〜」ってのも宙明氏なんだよなぁ・・・奥が深い。(P)




少年ケニア
(少年ケニア ED)

歌・渡辺典子
作詞・阿木燿子 作曲・宇崎竜童 編曲・萩田光雄

口うつしにメルヘンください
ほんとのことを教えてください
勇気と愛の 重さについて
たまには本気で語ってください


前年のキース・エマーソンに続いて、角川劇場アニメは山口百恵の黄金期を作った阿木燿子・宇崎竜童夫妻を起用。歌うのは角川三人娘の末っ子、というか僻地的存在で気の毒な渡辺典子。しかし、歌っている曲は上の薬師丸ひろ子、原田知世と決して遜色はない。ニューミュージック色の強い原田知世よりは、この文系アイドル世界は個人的にずっと好み。民族音楽チックなアレンジ(これ、アフリカっぽいかなぁ?)に乗せて運ばれる「口うつしにメルヘンください〜」というマイナーメロディ歌謡曲。その内向的な叙情性と、大人の世界が知りたくて背伸びする少女の心象描写は非常にアニソン的で、デビューアルバム時の坂本真綾に大いに通じるものがある。(P)



風の谷のナウシカ
(風の谷のナウシカ IM)

歌・安田成美
作詞・松本隆 作曲・細野晴臣 編曲・萩田光雄

風の谷のナウシカ 髪を軽くなびかせ
風の谷のナウシカ 眠る樹海(もり)を飛び越え
青空から舞い降りたら
優しくつかまえて


説明不要。文系アイドル歌謡と言えば、こちらも時代の代表曲。松本隆の7枚組ボックスセットに収録されている唯一のアニソン。きっちり収録。たかがナウシカガールに、よくもまあ、こんな良い曲を作ってくれたものだ。しかし、安田成美の歌唱力の方はチコの実もびっくりで、宮崎駿が自分の作品内で使うはずもなかったが。それにしても編曲の萩田光雄氏はこの時期どれほど仕事をやっているのだろう・・・。(P)



輝く瞳 BRIGHT EYES
(巨神ゴーグ OP)

歌・TAKU
作詞・康珍化 作曲・鈴木キサブロー 編曲・萩田光雄

ゴーグ 過去と未来の とびらをひらく
カギを カギをさがして
ゴーグ 君と行くのさ 冒険の旅
めぐりあいたい


安彦良和が全話の作画監督をしたという神の画を持つ『ゴーグ』。安彦氏の太ももフェチぶりを堪能できる本作のOPは、聴けば聴くほど好きになるナイスナンバー。既に紹介した同じく鈴木キサブロー作曲の「ミッドナイト・サブマリン」に通じる、ギターのカッティングが印象的な洋楽色の強い曲だが、こちらの方がボーカルが素朴な分爽やかな印象。適度に高音を使うメロディーで、カラオケで歌うと非常に気持ちがよい。ED「BELIEVE IN ME,BELIEVE IN YOU」は泣きがあんまりない、湿度の低いアメリカンロック的叙情で、これはこれで味わいがある。
しかし、TAKUがあの横浜銀蠅のTAKUって話があるんですが・・・。これは本当という情報と別人であるという話とあるんだけど、本人だったら驚くなぁ。TAKUと言えば、「おい、TAKU!気体の状態方程式ってしってるか!?」「まっかせてよ、PV=nPTでしょ!」「おおスゲー!じゃあ、Pってなんだよ!」「パ・・・パーキング」(ツッパリHigh School Rock'n Roll試験編)のTAKUでしょ。ほんまかなぁ・・・。(P)




ワープボーイ
(らんぽう OP)

歌・坂本千夏
作詞・三浦晃嗣 作曲・ケーシー・ランキン 編曲・ケーシー・ランキン

目を合わせただけで まぶしくなるのFlying warped boy
ピンボケした夢に 迷い込んだらお願い
Wooダーリンこれ以上 DokiDokiさせないで
あなたはつむじ風 YOU KNOW I WANT YOU


80年代前半を代表するバンド「SHOGUN」。『探偵物語』『俺たちは天使だ』の主題歌は今でも有名だが、その適度な洋楽センスはゴダイゴに通じる当時の「ナウ」な感覚を体現していた。そして、そのメイン作曲家がケーシー・ランキン。あの『蘇る金狼』も手がけた名作曲家の彼だが、アニメ作品の主題歌を2つだけ作曲している。一つは『オーガス』。これは何となくわかる。そして、もう一つは『らんぽう』。なんでやねん。まあ、『魁!クロマティ高校』の主題歌を吉田拓郎がやるタイアップ時代の今となっては別に驚く組み合わせでもないのかも知れないが。
しかも、この曲がまた素晴らしいエレロック。らんぽう役の坂本千夏のヴォーカルは声優とタカをくくっていたらド肝を抜かれること請け合いで、魂がほとばしるハード・シャウトを聴かせてくれる。正直、これはかなりの名曲。ED「気まぐれムーンライト」も洋楽コンプレックス溢れる爽やかなニューミュージックで、ボク大好き。このOPEDはともにパロディ満載の映像で、EDとかビートルズの屋上コンサートから『ミステリーハウス』の画面をキャラが徘徊するというもので、趣味性がすごいっすね。本編が一度観てみたい。(P)




見知らぬ国のトリッパー
(魔法の妖精ペルシャ OP1)

歌・岡本舞子
作詞・佐藤純子 作曲・馬飼野康二 編曲・馬飼野康二

見知らぬ国のトリッパー
きのうとちがうトリッパー 私の心さえ知らずにいるの
ちょっとじれったいのよ はやく気づいてほしい
ふたり歩きだすのよ めざめたての気持ち 大事に育ててね


スタジオぴえろ魔法少女シリーズ第2弾。実はボクはずっと『マジカルエミ』が第2弾で、ペルシャはずっと後だと思っていた。だって、いかにもテコ入れ臭い雰囲気なんだもん・・・。古田喜昭作曲の2ndOP「おしゃれめさるな」の印象がめっちゃくちゃ強いペルシャだけど、今改めて聴くと馬飼野康二の1stOPもスローミディアムのアイドルポップで非常にメロディアスな良い曲。歌を歌う岡本舞子はこの曲がデビューのアイドル。前作『クリィミーマミ』の太田貴子同様、これもアイドルタイアップだが、この魔法少女シリーズのコンセプトがそもそも変身少女アイドルヒロインものだからして、全く違和感がない。調べてみると、岡本舞子には作曲として『マジカルエミ』『パステルユーミ』の山川恵津子が大きく関わっていて、個人的にはかなり興味をひく存在・・・。(P)



愛・おぼえていますか
(超時空要塞マクロス 愛・おぼえていますか IS)

歌・飯島真理
作詞・安井かずみ 作曲・加藤和彦 編曲・清水信之

おぼえていますか 目と目が合った時を
おぼえていますか 手と手が触れあった時
それは初めての 愛の旅立ちでした I love you, so
もう ひとりぼっちじゃない あなたがいるから・・・・


歴史的名曲。『マクロス』はストーリーはともかく、メカデザインから何から、コンセプトがとにかく新鮮だったアニメで、そのなかでも重要要素だったのが「プロトカルチャー」。戦闘しか知らない敵対勢力ゼントラーディ軍は「文化」というものが欠落している。外見上は非常に似ている両軍の間を隔てる「文化」がこの作品の大きなキーワードとなる(SFっぽいなぁ)。そして作中、「文化」の象徴として使われるのが「歌」。「文化」の力、「歌」の力が、戦争の局面と両軍の歴史の趨勢を大きく左右する要素になる。「歌」は以降のシリーズでも延々と継続されるコンセプトとなる。
この年に公開されたマクロスの劇場版は、アラの多かったテレビシリーズを全面的に改編。尋常ではないエネルギーを注入して完成された勝負作だった。特に作画は今みても驚くほどものすごいもので、20年前のものとはにわかに信じがたい。そして、これほど気合いの入った作品のコンセプトのコアになる「歌」の作り手には、『未知との遭遇』で異星人との交流に使用されたあの旋律を作ったジョン・ウィリアムズ並のプレッシャーを背負わされたのではなかろうか。しかし、さすが日本のビートルズ、フォーク・クルセダースの一員は違う。加藤和彦は素晴らしい曲を作り上げた。映画のクライマックス、凄まじい戦闘のなかでミンメイがこの曲を歌うシーンは(今見るとかなり恥ずかしい部分はあるがっ)、王蟲をなぎ倒す巨神兵や宇宙に浮かぶ友引町とともに、日本の80年代アニメの絶頂期を刻んだと言っていい。あ〜、リアルタイムで劇場で観た人が羨ましい。ミンメイのシャワーシーンでストロボがバシャバシャ光ったって話は本当ですかぁ?(P)




よろしくチューニング
(よろしくメカドック OP
)
歌・STR!X
作詞・寺田憲史 作曲・河内淳一 編曲・河内淳一

マシンは陽気なサウンドウェーブ
気分はハイ オーバートップ
焼けた海 やばいね俺を ひきとめてまどわせる
だからチューン チューンナップ よろしく俺に チューンナップ


これも今ではあんまり聴けない感じの曲調で、男声洋楽風ロック。この曲調もさることながら、メカドックとかみゆきのED映像とか観ていると鈴木英人調に仕上がっていて、この時期の風潮が強く感じられる。いや〜、アメリカとか妙に憧れたなぁ。ボクも西海岸のムードにものすごく心ときめいていた時期があって、ベイエリアの風に吹かれて建つ、バルコニー付きツーバイフォーの白いコテージとか、ものすごく憧れたものであります。80年代を貫くおしゃれやこギレイさに対する直線的な憧れ(と、その根底の「日本人ってダサい」感)。その無邪気さが今となっては逆に眩しくて、ボクには価値のあるものに映るんですなぁ。(P)



ぴんく、ピンク、PINK!
(どきんちょ!ネムリン OP
)
歌・山野さと子
作詞・冬杜花代子 作曲・本間勇輔 編曲・松井忠重

ピンクにやれば ミラクルウィンド
吹いて 何かがラジカルチェンジ
ピンクにやって ピンクにされて
AH AH それでいこうぜ


コロムビア女性歌手では、堀江美都子、大杉久美子から大きく離れ、橋本潮と並ぶ3番手という感じの山野さと子だが、この時期辺りは『メモル』や『メイプルタウン』などを歌って結構活躍。
この人は「ドラえもんのうた」や「ハロー、ドラミちゃん!」なんかのおかげで、ザ・コロムビアというイメージが強いのだが、この『どきんちょ!ネムリン』はOPEDともに、そういう山野さと子のイメージとは大きく違う華やかなポップで、ボクのお気に入り。『トトロ』の井上あずみが『強殖装甲ガイバー』の「悲しみが許せない」を歌うのを聞いて、保育園の保母さんが人知れず泣いているところを見たような気持ちになってしまったものだが、こっちはNHKの歌のお姉さんが遊園地で友達と弾けてるところをみたような気持ちになれますです、はい。(P)




愛をとりもどせ!!
(北斗の拳 OP
)
歌・クリスタルキング
作詞・中村公晴 作曲・山下三智夫 編曲・山下三智夫、飛澤宏元

お前求めさまよう心 今 熱く燃えてる
全てとかし 無惨に飛び散るはずさ
俺との愛を守る為お前は旅立ち 明日を見失った
微笑み忘れた顔など見たくはないさ 愛を取り戻せ


イメージで作品を表すようになった近代アニソンで、ひとつの理想型を示す1曲。これぞ、主題歌。「Youはshock!」とインパクトそのものの出だしで始まるハードロック。前半部で吉崎勝正がその低音で蓄えたフラストレーションを、サビで田中昌之がハイトーンボイスで一気に解決するその構成。「愛をとりもどせ!」というその歌詞コンセプト。音も詞も構成も、『北斗の拳』の世界そのまま。主題歌ってどういうもの?と聞かれた時は、これを聞かせれば万事解決。(P)



空からこぼれたSTORY
(名探偵ホームズ OP
)
歌・ダ・カーポ
作詞・ 三浦徳子 作曲・佐藤健 編曲・福井峻

隠せないさ僕の瞳は ホンの小さなことまで
隠せないさ やがてHappyend
キミのポストに届くよ 空からこぼれたStory


これは曲じゃなく、作品でチョイス。すごく良い作品だから・・・。ま、曲は何というか・・・地味です。まあ、実際地味な作品なんで、ある意味あってるんだけど。ダ・カーポは裸の大将の「野に咲く花のように」でお馴染みのコーラス・デュオですが、自分たちで作ってないのね。作曲・佐藤建はこの年、家族で見るのが死ぬほどはばかれる蠱惑的映像だった『CAT'S EYE』の「デリンジャー」や、「あなたとは、シャワーなんかじゃ消せない愛がある」と妙に大人っぽい詞でドキドキの『超時空騎団サザンクロス』の「星のデ・ジャ・ブー」なんかも作曲しております。(P)

 

inserted by FC2 system