1990

この年を彩るキーワード
花の万博、紀子さまブーム、ドイツ統一、スーパーファミコン発売、ファジー、オヤジギャル、アッシーくん、オタッキー、3K、三高、センター試験開始
一般曲の主なヒット曲(国内)
今すぐKiss Me(リンドバーグ)、浪漫飛行(米米CLUB)、OH YEAR!(プリンセス・プリンセス)、愛は勝つ(KAN)
一般曲の主なヒット曲(海外)
Vogue(Madonna)、Step By Step(New Kids On The Block)、Nothing Compares 2 U(Sinead O'Connor)、Hold On(Willson Philips)Because I Love You((Stevie B)

 

グローイング・アップ
(私のあしながおじさん OP)

歌・堀江美都子
作詞・来生えつこ 作曲・来生たかお 編曲・信田かずお

覚え立てのいとしさは 手紙の中書き切れず
あなたへ向けて押し寄せる まだ言えないとまどい
すべてはこれから いつでもこれから
Now I'm ready to be a lady for lov
e

黄金の80年代が終了し、冬の90年代前半がやってまいりました。特に男性諸氏には厳しい時で、80年代の活況を支えたアニメが軒並み終了して一種の空白状態が訪れたシーンに、追い打ちをかけるように89年の宮崎事件。上の流行語でもわかるように、バブル最後期の糜爛した空気のなかで、「オタッキー」アニメは世の中の最底辺に置かれて冷たい風にさらされることに。子供向け・女性向けを残してオタクアニメはOVAばっかりになり、みんなで見てみんなで語り合えるような共有作品が非常に少なくなってしまった。アニソン的にもどんどん作品と無関係なタイアップが増えて来ちゃうし。

そんな年、名劇ではシリーズ主題歌のなかでも代表曲に数えられる作品が登場。この年から名作劇場のレコード会社がポニーキャニオンから再びコロムビアに戻った。そこで早速の登場したのが、コロムビアの女王・堀江美都子。意外なことに、名劇主題歌はこれが初めてのミッチ。「ポリアンナ」では主役の声をやったにも関わらず、主題歌はポニーキャニオンの工藤夕貴だった。非常に落ち着いたバラードだが、メロディーがこの上なく美しい。まさに流れるような旋律で、ジュディのルックスも思わず許したくなるような、ジス・イズ・名作劇場という名曲。ミッチ本人もお気に入りです。(P)




おっとどっこい日本晴れ
(キャッ党忍伝てやんでえ OP)

歌・谷沢伶奈
作詞・真名杏樹 作曲・池毅 編曲・山川恵津子

おっとどっこい過去 おっとどっこい未来
エドロポリスはヒステリー きっと待ってた
ハロー ザッツ 必殺ヒーロー
しっぽの生えたメタル忍者だよ


これもスターチャイルド+あかほりさとるのヒット作。タイトルやキャラ名は入ってなくとも作品世界によりそった歌詞と、池毅の曲が相まってキャッチーに仕上がってます。 てやんでえは挿入歌も密かに傑作揃いで、特に折笠愛と水谷優子のユニット『MIPPLE』の歌は軽快な曲にこれも作品にピッタリな詞の声優アイドルソングといった風味。この頃の声優ソングは作品をダシにすることもなく、共存共栄していたといっていいかと。(は)



Gatherway
(勇者エクスカイザー OP)

歌・三浦秀美
作詞・AZUSA 作曲・井上ヨシマサ 編曲・山本健司

Go with me エクスカイザー
勇気と友情 力合わせたその時gather way
Go with me エクスカイザー
忘れかけていた 熱く燃える大切なpassionate この胸に


かっては『Zガンダム』等富野作品、その後は『サムライトルーパー』等をやってたサンライズアニメ枠にひさびさの子供向けロボットものが登場。このころのアニソンの傾向としては80年代からの流れで女性ボーカル全盛、男子向けアニメでも歌いまくりで勇者シリーズはまさにその典型ですな。「バリバリのロボットアニメ調の歌詞、でも女性ボーカルでポップに」なこの路線が、大張正巳によるアレンジの効いたロボ作画とセットで勇者シリーズ前半を彩りました。…しかし今の人には大張作画もなんじゃこりゃ?扱いだったりで、ギャップを感じますわ〜。(は)



熱血!!勇者ラムネス
(NG騎士ラムネ&40 OP1)

歌・草尾毅
作詞・紅玉 作曲・りゅうてつし 編曲・乃澤大二郎

みんな遅れるな(イェイ イェイ イェイ)
オレについてこい(イェイ イェイ イェイ)
とばせ とばせ 猛烈にココロが叫ぶ
オレは勇者(オー!) ラムネス


これまたスターチャイルド+あかほりさとるのヒット作。
これも主題歌をはじめ声優によるキャラソンがバカスカ出てましたが作品世界を補完する、ノーテンキな曲ばかり。熱血と謳いつつほとんどネタ扱いで、70年代ライクな泥臭さはなくひたすらイケイケなのもこの時代ならではちゅーか。

このころのアニメは『懐かしのアニメ特集』番組なんかでもまかり間違っても紹介されないようなマイナー作品揃い。しかもすでに時代が一周して80年代の再評価ブームが始まってる現在、逆に90年代は中途半端に古くバカにされるサイクルに突入。んなわけで、この時期のアニメおよびアニソンを語るのはなかなか覚悟を必要とする行為ですが当時リアルタイムでハマってたシトはこーだったんだ、と思っていただければ幸いです。(は)




ブルーウォーター
(ふしぎの海のナディア OP)

歌・森川美穂
作詞・来生えつこ 作曲・井上ヨシマサ 編曲・ジョー・リノイエ、鈴川真樹

いま君の目に いっぱいの未来
言葉は永遠のシグナル
Don't forget to try in mind
愛はJewelより すべてを輝かす


90年アニメ最大のヒットと言えばやっぱりコレ。ガイナックスがTVアニメを!しかもNHKで!というのは当時は驚きというか今でも驚く。当時すでに『トップをねらえ』があったとはいえ、まだ中学生でOVAなんか知る由もなく『八岐之大蛇の逆襲』や『愛国戦隊大日本』等特撮作品のイメージが強かった自分には、ガイナ(ゼネプロ)がTVアニメをやるなんてもうビックリですよ。って、そっちを知ってる中学生のがビックリですよ。スカも多いNHKアニメ主題歌の中でも、これは酒井法子の『夢冒険』と並ぶ作品世界との乖離が少ない名曲。しかしOP・EDともにやはりガイナの十八番、映像との一体感の力が大でしょう。イントロを聞いただけで白い鳥が舞う勢い。い〜ま君の目に〜♪(は)

放映リストを見ても寒々しい気分しか残らないこの頃のアニメシーンのなかで、唯一気を吐いたのが『ナディア』でしょうねぇ。いち早く「オタクで何が悪い!」とオタクの力をポジティブに解釈いた岡田斗司夫率いる初期ガイナは、この頃の状況と相まって同時期のアニメファン全てにシンパシーを感じさせる存在。ライバル不在ゆえ、『ナディア』はこの頃のミドルティーンの少年少女の多くが持つ共通体験になったと思う。どっちか言うと『トップをねらえ』派のボクですが、最終回のED「YES. I Will...」の入り方にはゾクゾクしました。こういうアニメ特撮的な「燃える」様式の出し方において、ガイナックス作品の洗練度は飛び抜けたものがある。(P)



ムサシ!BUGEI伝!!
(からくり剣豪伝ムサシロード OP)

歌・子門真人
作詞・山本正之 作曲・多々納好夫 編曲・井上日徳

つばぜり合いの音が まぶしい人生
戦い 昨日よりも今日強い  Oh BUGEI!
二刀流 ムサシ! 明日は輝くぞ


こんな時代にも我が道を行く男、子門真人。90年代らしいノリながらこの時期には珍しい正統派ヒーローソングを、子門が力強くも滔滔と歌い上げてます。しかし、いくら時代は変わろうが子門は子門。 「ぃぁぁぁぶげぇえい!」「瞳がきらめいたァァァ〜ア〜オゥ!」とそのシャウトはもう熱いとかいうレベルを超え、まさに狂気。子門以外には誰も歌えないんちゃうんか?と思わせるこの曲、子門ソングの中ですら別格感漂う迫力ですわ。(は)

山本正之が作詞者として参加してるんだね・・・。この作品はEDの「てなもんだ人生」もステキであります。後に『宇宙海賊ミト』の「HI! HO!」や『バトシーラー』のOPを歌う野澤恵の伸びのある元気声が聴けますです。眠たい時・沈んだ時に。(P)



おどるポンポコリン
(ちびまる子ちゃん ED1)

歌・B.B.クィーンズ
作詞・さくらももこ 作曲・織田哲郎 編曲・織田哲郎

タッタラリラ
ピーヒャラ ピーヒャラ パッパパラパ
ピーヒャラ ピーヒャラ 踊るポンポコリン
ピーヒャラピー おなかがへったよ


オタク的には下火のこの時代ではあるが、アニメ史的にはサザエさんと並ぶ怪物的ホームアニメがこの年誕生。『ちびまる子ちゃん』の連載1回目を妹のりぼんで読んだ時の衝撃は忘れられない。当時としてはかなりアバンギャルドなギャグマンガとして映ったのだが、余りにもヒットしすぎて、普遍的なヌルさ・ベタさを早々に獲得して国民的作品に。その浸透度の早さは驚異的だ。

そして、そのアニメの主題歌もスーパーヒットとなった。謎の集団・BBクイーンズはメインボーカルが坪倉唯子に近藤房之助、バックコーラスでも宇徳敬子が参加、その実体は90年代前半を席巻した音楽制作会社ビーイング所属アーティストのコラボグループ。OP作詞が亜蘭知子、OPEDの作曲はともに織田哲郎とスタッフもビーイング布陣。この「おどるポンポコリン」の超絶ヒットはTUBEやB'zで徐々に浸透してきたビーイングの90年代の大爆発を約束するものとなった。

ビーイングは非常にアニメと繋がりが深い会社で、新・鉄人28号のかっちょいいオープニング、「太陽の使者・鉄人28号」を歌っていたギミックが、総帥・長門大幸自ら率いる黎明期のビーイング・オールスターバンドであったのは有名な話。90年代のビーイングは、DEEN、大黒摩季、ZYYG、WANDS等々、自社アーティストの宣伝の場としてアニメを大々的に利用する。それは80年代のソフトなタイアップとは全く違う夢も希望もないもので、まさに蹂躙というのにふさわしい。それは現在でも続き、名探偵コナンなどで地獄のごときタイアップが行われている。日本コロムビアの社長までが元ビーイングで、まさに現在のアニソン界はビーイングのラウドスピーカー化していると言える。「ゆめいっぱい」や「おどるポンポコリン」は本当に素晴らしい主題歌であったが、これは今にして思えばメディア使用料だったのかも知れないな。 (P)




Adesso e Fortuna〜炎と永遠〜
(ロードス島戦記)

歌・Sherry
作詞・新居昭乃 作曲・新居昭乃 編曲・萩田光雄

Io sono prigioniera 今夜貴方は
私を優しく 包んでくれた
けれど朝の陽に 照らしても
黒い瞳は私に そのままきらめくの


90年のハヤリと言えばファンタジー!RPG!その代表作といえばロードス島戦記、こういう作品は繊細かつ叙情的な新居昭乃の独擅場ですな。本人の歌う英語歌詞バージョン、ETERNITYもセットでどうぞ。まだ名前は意識してなかったものの、この曲やファルコムボーカルコレクションの新居昭乃の歌は当時からかなりお気に入り。ちなみに、ロードス島戦記のカセットブック(もうこの言葉自体懐かしい)では伊藤真澄が音楽を担当、後の片鱗が見られますが本人はこのころからかわらぬマイペースっぷりでした。(は)

 

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