1991

この年を彩るキーワード
湾岸戦争勃発、ソビエト連邦連崩、信楽鉄道事故、雲仙普賢岳で火砕流、若貴ブーム、東京新都庁、Santa Fe、東京ラブストーリー
一般曲の主なヒット曲(国内)
北の大地(北島三郎)、SAY YES(CHAGE & ASKA)、ラブ・ストーリーは突然に(小田和正)、どんなときも(槙原敬之)、CHOO CHOO TRAIN (ZOO)、あなたに逢えてよかった(小泉今日子)
一般曲の主なヒット曲(海外)
I Do It For You (Bryan Adams)、Black Or White (Michael Jackson)、Emotions (Mariah Carey)、Gonna Make You Sweet (Everybody Dance Now) (C&C Music Factory)、U Can't Touch This (MC.HAMMER)

 

学問のスズメ
(おれは直角 OP)

歌・ビジー・フォー・スペシャル
作詞・森雪之丞 作曲・本間勇輔 編曲・村松邦男

1192造ろう 鎌倉幕府 894に戻そう 遣唐使
1492燃える コロンブス 頭がパニック ほんとはネ
夢という名の刀を抜いて サムライになりたい


ものまね王座決定戦でおなじみビジー・フォー・スペシャルがこの調子でゴロ合わせをやけくそのようにくっつけて歌う、どっちかっちゅうと珍曲な一曲。しかし『おれは直角』の主題歌としてはわりと外してないノリで、この直後の『SLAM DUNK』あたりから作品と何の縁もゆかりもない完全タイアップ曲の時代がやってくることを思うと、このへんがアニソンと歌謡曲のボーダーラインが曖昧だった80年代との分岐点かと。(は)

ビジー・フォーってデビュー曲が『じゃりン子チエ』の映画の主題歌だったんだよね〜。これがまた後でテレビ版のジングルやBGMに使われるぐらい良い曲で・・・。でもまあ、ものまねであんだけ売れたんだし、もう一般歌謡曲に未練はないよね。(P)



Dancing Beat
(緊急発進セイバーキッズ OP)

歌・LOVERS
作詞・LOVERS 作曲・LOVERS 編曲・LOVERS

拳ふりあげろ 足を踏み
Everybody Dance Dance Dance!
今はすべて忘れ
翼はためかせ リズムきり
Everybody Dance Dance Dance!
Come on beat 君に贈る


リアルタイムで観てた人以外は間違っても知らなそうなので、あえて紹介したいのがコレ。
ゴート札よろしく年々クオリティが下がっていくルパンのTVスペシャルが放送されてたとはいえ、モンキーパンチ原作だけが売りだったこのアニメがマイナーなのも当然な気も……しかし歌詞通りにノリノリなビートを刻むこのOPは一度聞けば忘れられないほど印象深く、まさに埋もれてしまった名曲ですな。(は)




こころはタマゴ
(鳥人戦隊ジェットマン ED)

歌・影山ヒロノブ
作詞・荒木とよひさ 作曲・つのごうじ 編曲・山本健司

こころはタマゴ 小さなタマゴ
あしたまで あたためりゃ
鳥にもなれる 雲にもなれる
もしかあの子が好きならば


この頃は10作を超えてさすがにマンネリ化、放送時間が移動し視聴率も下り坂だった戦隊シリーズ。そのムードを一新したのがジェットマンでした。戦隊シリーズでは初のメインとなった脚本家、井上敏樹による敵味方入り乱れた恋愛模様を描いたストーリーは「トレンディードラマ戦隊」と呼ばれ新しいファンをキャッチザハート。ノリだけのいきあたりばったりな展開にバブリーな登場人物と、今でも井上敏樹の作風は当時を彷彿とさせてくれますな!
戦隊シリーズプロパーのタイトル連呼型熱血OPに対し、このEDは少年の恋の応援ソング的な詞とメロディーがNHKみんなのうたライクで心地いい一曲。影山ヒロノブもこういう歌は実に新鮮ですわ。EDにもタイトルが入ったストレートな曲の多かった戦隊シリーズも、この作曲のつのごうじがコミカルな曲を手がけたりと徐々に変化が。(は)




ドリーム・シフト
(絶対無敵ライジンオー OP)

歌・SILK
作詞・篠原仁志 作曲・和泉一弥 編曲・和泉一弥

大事な事なんて 自分で見つけるよ
教室の窓から 見てる青空の下
やりたい事ばかり たくさんありすぎて
机の前になんて じっとしていられない


85年のトランスフォーマーで80年代アニメは子供にゃちとつらいと書きましたが、勇者シリーズにエルドランシリーズと二大ロボットアニメシリーズがスタートし、この後セーラームーンも始まる90年代前半は子供向けアニメ復権の時代でした。同時に、これらの作品は大きなお友達にもウケがよくお互い共存できていて、少なくとも児童誌に見るからに浮いた『ギャラクシーエンジェル』の記事が載るような昨今とはワケが違う。
爽快なボーカルにOP画像と激しくドンピシャな歌詞と、ライジンオーの主題歌として文句無しの『ドリーム・シフト』。劇判などで田中公平のイメージが強いライジンオーもこの作曲は和泉一弥、続いてシリーズ2作目の『元気爆発ガンバルガー』や後には件の『ギャラクシーエンジェル』でも数々の名曲を手がけてます。(は)




MEN OF DESTINY
(機動戦士ガンダム0083-STARDUST MEMORY- OP2)

歌・MIO
作詞・安藤芳彦 作曲・松原みき 編曲・萩田光雄

絶望の宇宙に 吹き荒れる嵐
未来は誰のためにある
滅びゆく世界 駆け抜ける嵐
選ばれし者 MEN OF DESTINY


80年代にロボットアニメのブームが終わり、しばらくは地味〜に活動してた(このころ青春ラジメニアのイベントで「ダンバイン とぶ」を歌ってるのをひさびさに耳にして、すでに懐かしいと思った記憶が…)MIOもガンダムと共に復活。そのハスキーボイスは健在で、ハードな作品イメージを映したこの曲にも見合ったかつての王道型アニソンとは趣の違うシャウトを聞かせてくれます。この後のMIOはアニメを離れて、ゲーム『スーパーロボット大戦』関係の曲を歌うようになるのも時代の流れですな。(は)



4月の雪
(魔法のプリンセスミンキーモモ)

歌・岡崎律子
作詞・岡崎律子 作曲・岡崎律子 編曲・西脇辰弥

楽しいばかりじゃないよ
時には そう、自分が
とてもとても小さく思える
ねぇ、誰もそうだよ 涙や いたみ
それぞれの胸 うけとめて 迷っている


いよいよ登場、岡崎律子。
アッパー系全盛なこのころのアニソン界、岡崎律子も後期OP『夢を抱きしめて』は前作や前期OPのノリを受け継いたポップな曲だったものの、この『4月の雪』等ドラマアルバムの曲ではウィスパーボイスと繊細なメロディーが織りなすいつもの岡崎節を発揮し、ついには作品自体を喰う勢い。後のOVAシリーズに至っては、ほとんど作品世界そのものが岡崎律子の曲のイメージでしたわ。同時に、何かと前作と比較されたリメイク版モモもやっとこのOVAでアイデンティティを得られたと言おうか。しかしさすがに早すぎたのか岡崎律子が本格的にブレイクするのはアフターエヴァの時代、2000年前後になります。(は)




炎の転校生(島本ヴァージョン)
(炎の転校生 IM)

歌・島本和彦
作詞・島本和彦 作曲・島本和彦 編曲・田中公平

うなれ! うなれ滝沢キック
当たれ! 当たれ国電パンチ
正義と悪との識別完了
俺が炎の転校生


「熱さ」とは何かを体現した一曲。

今や、福本伸行と並ぶ言霊マンガ家・島本和彦。熱いマンガを描く人は多いが、島本マンガの熱さはそのなかでも極めて異彩を放っている。島本和彦は本来、そんなに熱くなれない人間だったと思う。しかし、テレビやマンガで活躍する憧れのヒーローを愛し続け、研究し続けた結果、彼は批評的な熱さを手に入れた。例えば、車田正美のマンガはDNAから燃えている熱さだ。しかし、血液にそこまでの熱さがない島本和彦は、そこで自分の服に火をつけるのだ。こうすればどんな人間でも燃えられる。70年代のジャンプマンガや特撮のような真性の熱さではなく、島本和彦はいわゆる強化人間なのだ。しかし、その人工的な熱は、ホンモノの火よりもしばしば熱い。これが新しかった。

その島本熱は、この曲を聴くだけで十分に感じられるだろう。傑作デビュー連載・『炎の転校生』がガイナックスによってアニメ化された時に、島本和彦が自ら作って自分で歌ってしまった曲。曲なんか作ったこともない、歌も大して上手くない、でも俺はやらなくちゃいけない!逃げちゃいけない!その気概がヒシヒシと伝わってくる名曲。このぶざまさ、敢えてできないことにぶつかる勇気。本編ヴァージョンでは関俊彦がなかなか見事に歌っていたが、島本節を一度聴いてしまうと、もうこっちしか見えない。その作曲過程を描いた半ドキュメントマンガ・『燃えよペン』もあわせて読むと、更に楽しめるぞ。(P)




黄金の器 銀の器
(おにいさまへ... OP)

歌・高田さとみ
作詞・小椋佳 作曲・小椋佳 編曲・原田真二

右の手に黄金の器 左手に銀の器
どちらかだけでは倒れてしまう
誰もが持っている 二つの見えない 器


今飛ぶ鳥を落とす勢いの『マリア様がみてる』ですが、ああいう百合世界の本家本流・池田理代子の原作のマンガを出崎統・杉野昭夫がアニメ化したのがこの『おにいさまへ』。OPしかみたことないけど、もうこのメンツを見ただけで内容がどういうものか察しがつくというもの。庵野秀明が何かの本で、「90年代で面白かったアニメはおにいさまへとVガンだけ」みたいなことを言っていましたが、果たして、見る人見る人オモロイと言ってます。ボクもみないと・・・。

少なくとも、小椋佳&原田真二(すごいね、この人選)のビッグネームによる主題歌は傑作。中音域のストリングから始まる華麗かつ耽美な世界は『ベルサイユのばら』の「薔薇は美しく散る」を彷彿とさせながら、さらに重く荘重。この主題歌で本編がつまんない訳ないよなぁ。(P)




愛は花、君はその種子
(おもひでぽろぽろ ED)

歌・都はるみ
作詞・AMADA McBROOM(訳・高畑勲) 作曲・AMADA McBROOM 編曲・星勝

とめどない 渇きが
愛だと いうけれど
愛は花 生命(いのち)の花
きみは その種子(たね)


色々言われたが、やっぱりいい映画だったと思う『おもひでぽろぽろ』。高畑リアル路線の極北だった『火垂るの墓』の後だと、ものすごくポジティブな作品に思えたものだす。この曲が流れるラストシーンは感動しました。これをご都合だとか甘すぎるとか言う人は、兄妹がのたれ死ぬ映画を観ていればいいのだ。節子の顔が入った特別パッケのサクマドロップがあるんやけど、こんなもんどういう気持ちで舐めればええんや。石が入ってそう。(P)



地球を届けよう
(ゲンジ通信あげだま)

歌・佐々木望
作詞・白峰美津子 作曲・佐橋俊彦 編曲・佐橋俊彦

ほんとに 大事な ものはひとつだけさ
心をつなげば どんな夢もかなうよ
この空 この海 地球からのENERGY
届いたら 答えて!


佐橋俊彦のアニソン初挑戦ながら、OPEDに加えて挿入歌も名曲揃いだった『ゲンジ通信あげだま』。PEROさんも書いていたように軽〜い、それでいてフックのある曲が多い中、劇中で何度もあげだま達が歌い終盤のエピソードを盛り上げた『地球を届けよう』はあげだまらしからぬ感動路線で、さすがに引き出しの多さがうかがえますな。
ちょうどこの頃、人気声優がパーソナリティを勤めるラジオ番組が次々とスタートしオリジナルCDアルバムが発売される等、声優ブームがやってくるわけですがその人気は作品やキャラクターと一体になった不可分のものでした。あげだまも後期のOPEDや挿入歌など声優ソングが多く、歌唱力はさておいても作品世界を広げるのに一役買ってます。(は)


OPの「人生まだまだあげだマン」よろしく!佐橋俊彦って、これがアニソン初挑戦だったのか。(P)



ズダダン!キン肉マン
(キン肉マン キン肉星王位争奪編 OP)
歌・鈴木けんじ
作詞・森雪之丞 作曲・岸正之 編曲・山本健司

ズダダン ズダダン  嵐が渦巻く リングに
ズババン ズババン  奇跡の勇者が 生まれた
右手に勇気を 左手に涙を
心に優しく 愛を抱きしめ


マンガもアニメも終了してからはや数年、以前は原作に追いついてしまいアニメ化されなかったキン肉マンの王位争奪編が、なぜかこの年突然のスタート。声優こそ大幅に変更されてたもののノリは昔のアニメそのまんまで、しかも最終回スグルはマリさんと、フェニックスがビビンバとくっつくというオリジナルのオチでした。コレ、前作とII世がセットで放送されてたメリケンの子供達はどう思ったんでしょーか。ま、自分はうっかりロビンマスクの最後で号泣してコミックスも買っちゃったりと、おもいっきりノセられてたワケですが…。
主題歌の方は、それまでのいけいけドンドン的な曲ではなく森雪之丞の詞をじっくりと聞かせるタイプで、スグルがリングインする映像とのマッチングも最高。OPのアレンジを初めとするBGMもひそかに名曲揃いでした。(しかしEDを歌ってたのはなぜかケントデリカット。メガネ芸やユタ州と肉に何の関係が?)この曲はゆでも気に入ったのか、詞の一節が『二世』でコールドスリープから目覚めたミートくんのセリフに引用されてます。
「この地球から消えかけてる正義の二文字を取り戻すために!」
(は)

 

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