1992

この年を彩るキーワード
バルセロナ五輪・岩崎恭子金メダル、毛利さん宇宙へ、日本新党結成、新幹線「のぞみ」登場、きんさん・ぎんさん、ほめ殺し、カード破産、冬彦さん、ツインピークス
一般曲の主なヒット曲(国内)
君がいるだけで(米米CLUB)、悲しみは雪のように(浜田省吾)、 もう恋なんてしない(槇原敬之)、部屋とYシャツと私(平松愛理)、私がオバさんになっても(森高千里)
一般曲の主なヒット曲(海外)
I Will Always Love You (Whitney Houston)、End Of The Road (Boyz II Men)、Beauty And The Beast(Celine Dion)、I'm Too Sexy (Right Said Fred)、Tears In Heaven(Eric Clapton)、Baby Baby Baby(TLC)、I'll Be There (Mariah Carey)

 

愛を+ワン
(ママは小学4年生 OP)

歌・益田宏美
作詞・岩谷時子 作曲・樋口康雄 編曲・樋口康雄

ねぇ
どうして どうして 教えて
右と左は パパ・ママ
一つのテーブルを囲んで パンを食べてる


未来からやってきた自分の子供の世話をする少女という、何だか色々なフックがある作品。子育てをするヒロイン声をやっていたのは、元保母こおろぎさとみ。主題歌は非常にアニソンらしい演劇的な曲。かわいくて美しいアレンジが、かわいい絵面の作品によくあっていた。作曲は、アニメファンには『小公女セーラ』や手塚アニメでお馴染みのソフトロッカー・樋口「ピコ」康雄。そして歌うのは、「スター誕生」史上最高の実力歌手・岩崎宏美。70年代歌謡界コンビだが、古くささ皆無。(P)



風の未来へ
(伝説の勇者ダ・ガーン OP)

歌・佐藤有香
作詞・山田ひろし 作曲・井上徳雄 編曲・井上日徳

風が空へ向かう様に 僕もいつか 飛び立つんだ
できるさ 信じてるよ
大人たちが失くしてる 力を今 とりもどそう
君にも できるはずさ


傑作揃いの勇者シリーズ主題歌の中でも、とびっきり明るいイメージの「風の未来へ」。ちょっとエコロジー入った歌詞といいそのムードは作品のノリにもピッタリで、シリーズ中でも一・二を争うお気に入りの一曲。佐藤有香はこの後もアニソンを歌い続け、最近では『キディ・グレイド』OPを歌ってる『YUKA』も実はこの方です。(は)

ボクもこの曲、勇者シリーズで一番好きー。(P)



永遠の孤独
(宇宙の騎士テッカマンブレード OP2)

歌・小坂由美子
作詞・佐藤美佳子 作曲・小坂由美子 編曲・佐藤宣彦

失うものなどもう無いから
どこまでも追い求め 取り戻せ未来を
この地球(ホシ)にいつかは 魂帰るだろう
その体バラバラに たとえ砕け散っても WOO MY DESTINY


アニソン史上でもMIOと並ぶ屈指のハスキーボイスを誇る小坂由美子。大張正巳作画バリバリのOPEDにブレードとエビルの最終決戦を飾った挿入歌「マスカレード」と、この時期珍しいハード路線のアニメ・テッカマンブレードをそのソウルフルなボーカルで彩り鮮烈なインパクトを残しました。当時、田舎でもぼちぼちでてきたカラオケボックスで「永遠の孤独」を何度歌ったことか。

しかしこのアニメ、本編の作画はヒロインを演じていた林原めぐみがラジオで必死こいてフォローするほどズタボロで、すでに粗製濫造の感が……これまではスターチャイルド(キングレコード)のメディアミックス攻勢にどっぷりと浸かっていや〜、アニメって本当に素晴らしいものですね!とアホの子のように青春謳歌してた俺も微妙に冷めてこないでもなく、それは2年後の『テッカマンブレードII』で決定的なものに。(は)


この曲は同時代的にかなりインパクトのある曲。ヘビーサウンドとともにシャラシャラしたシンセが乗った、ちょっと懐かしい感じのするハードロックで、80年代から続くカラッとした軽いサウンドが主流のなかでは一際目立つその音圧。ギターがギュンギュンうなるイントロがかっちょいい。小坂由美子はこの作品の全て主題歌を歌ったが、今はどうしてらっしゃるのか。JAM PROJECTで歌ってもいいと思うけど。(P)



とべとべ おねいさん
(クレヨンしんちゃん OP6)

歌・矢島晶子、アクション仮面
作詞・もつ 作曲・もつ 編曲・もつ

守りたいあなたを 間延びしたわたしを
地球が夢中 みんなのヒーローさ
愛だらけ埼玉 空の 果て見えたら
明日を まゆげにのせて


今年もまた映画の新作が出て、すっかり国民的作品と相成った『クレヨンしんちゃん』はこの年登場。放送開始当初から、岡田斗司夫らオタク著名人がこぞって面白いと言っていた『クレしん』は、強烈なキャラクターと過去のアニメ記号をふんだんに盛り込んだそのカラフルな動き・設定で、子供から大人から薄い人から濃い人、全ての人にアピールする間口の広い良質な作品だった。

主題歌も超有名曲「オラはにんきもの」「パカッポでGO!」やチャーミングな「月灯りふんわり落ちてくる夜」等、非常にバラエティ豊か。そのなかでボクが一番好きなのは、私的クレしん映画最高作『電撃ブタのひづめ大作戦』の主題歌でもあったこの曲。『ライディーン』のパロディソングを、しんちゃんと番組内ヒーローのアクション仮面が朗々と歌い上げる。ほとんど丸パクでありながら、しっかりとしんちゃん色に染めてしまうところに、この作品の個性の強さと、それゆえにどんな要素を取り入れても大丈夫という懐の深さが見える。(P)




太陽がまた輝くとき
(幽☆遊☆白書 ED4)

歌・高橋ひろ
作詞・高橋ひろ 作曲・高橋ひろ 編曲・高橋ひろ

手紙が届いたら 封を切らずに
そっとしまっておいて
時がたてば 僕の今の気持ち
きっとわかるはずさ 最初で最後のお願い


冨樫義博の出世作(ま、個人的には『てんで性悪キューピッド』のが大喜びで読んでたのは言うまでもなく)『幽☆遊☆白書』のEDはポニーキャニオン傘下のメディア・レモラスとの完全タイアップながらも、もうその全てが傑作揃い。「太陽がまた輝くとき」も今のアニソンには珍しくなった男の色気を漂わせる高橋ひろの歌唱が、懐かしさを憶える曲調とマッチした名曲でした。かたや、パワフルな中にもどこか寂寥感を秘めたボーカルの馬渡松子も「さよなら bye bye」「デイドリーム ジェネレーション」と、どれもこれも良い曲。高橋ひろも『瓶詰妖精』の曲なんぞ作ってるヒマがあったら、またその歌声を披露していただきたく。(は)

ボク的には『幽書』は何と言っても馬渡松子ですなぁ。「微笑みの爆弾」「ホームワークが終らない」も「さよなら bye bye」も全部よかった。何かこう、一見垢抜けているようで、実は変という感じが非常にアニソン的だった。特にメロディーがすごくよかった。まさにしーはつさんの言う、躍動感があるのに寂しげなメロディーラインなんだよね。渡辺美里を更に日影に入れたような・・・。やっぱりアップテンポなマイナーメロディの曲はいいな。(P)



GET YOUR DREAM
(超電動ロボ 鉄人28号FX ED2)

歌・清水咲斗子
作詞・松葉美保 作曲・工藤崇 編曲・戸塚修

GET YOUR DREAM 大切なこと
GET MY DREAM 探し続けて
世界で一番強い愛を


『超電動』ちゅーフレーズも、今となっては時代が一周してちと寒いリメイク版の鉄人。が、『天空戦記シュラト』に続いて清水咲斗子の歌うそのEDは力強さに溢れ、女性ボーカル全盛のこの時代を象徴するかのようですな。しかし大御所もアニソンから離れ、新人が現れては消えていくこの時期はまさにアニソン界の動乱期で、彼女も先の小坂由美子も新曲楽しみだわ〜と思ってるうちに翌年にはあっさりと消えてました。この激動の時代を生き残ったのが奥井雅美、彼女がデビューするのも翌年93年になります。(は)



んばば・ラブソング
(南国少年パプワくん OP)

歌・高田さとみ
作詞・そのべかずのり 作曲・小杉保夫 編曲・石田勝範

んばば んばんば 呼んでる
んばば んばんば 歌ってる
真っ赤な 真っ赤な 太陽 追いかけて
走っておいでよ プリンセス


この年鑑で小杉保夫初登場か?アニメも戦隊も、NHKの『いないいないばあ』もやる子供番組の巨匠・小杉氏。この年鑑にもこれ以降、また出てくる名前でしょう。余りにも仕事しすぎて、『プリキュア』と『三つ目がとおる』みたいなそっくり曲を作っても気づかないのか。そしてこの曲は、『ジャングルはいつもハレのちグゥ』の「LOVEトロピカ〜ナ」との双子曲。サンバのリズムに乗せてリゾート気分満載のハッピーソング。ほんとにこういう曲は得意中の得意という感じですなっ。ノリノリですわ。(P)



なかよしお泊まり倶楽部
(KO世紀ビースト三獣士 ED)

歌・宍戸留美
作詞・石嶋由美子 作曲・福田裕彦 編曲・福田裕彦

ちょっとだけ眠いの 気にしないでおしゃべり
お月様だけが起きてる カスタード色の夜
うちにおいでよお泊まりね ねえお泊まり倶楽部


スラップスティックの時代から女性ファンがメインだった声優ブームが『セーラームーン』の開始からヤローにも広がっていく裏で、あれだけ繁栄を極めていた80年代アイドルはあっちゅーまに絶滅寸前の氷河期に。この年、「Heartful Station」に「Tokyo Boogie Night」と林原めぐみの2大ラジオ番組を雑音に耐えつつ必死こいて聞いてた俺も、難民化したアイドルファンがアナクロな清純派路線で売ってた声優に転んで、彼女がオリコン上位に喰いこむトップアイドルに超進化するとは思ってもみませんでしたわっ!

後に『おジャ魔女どれみ』のアイドルおんぷちゃんでブレイクする宍戸留美も、このアニメではアイドルが声優に初挑戦〜的なノリでした、がっ、女の子同士のイチャイチャを描いた不健全極まりないイメージのこの曲では甘いボーカルを披露していて、今日の萌え路線を先取りするかのようですな。ちなみに、続編の主題歌はなぜかすかんちに。(は)


当時、伊集院の「Oh!デカナイト」リスナーでアシスタント・寺尾友美を圧倒的に推していたボクとしては、もう片割れ・ルンルン(宍戸留美)が生き残っていることに驚きを禁じ得ない訳ですが!寺尾友美が消え、田中陽子が消え、芳賀ゆいを忘れ、最後に残ったのがロッテアイドルだとは・・・。おニャン子解散以降モー娘。出現までのアイドル冬の時代、制服向上委員会等のマイナーアイドルよりも声優の方がアイドルファンの受け皿だった。ボクも林原は聞いてなかったけど、日高のり子は聞いていたよ(これが、しーはつさんとボクの唯一のリアルタイムの接点だとは)。(P)



ジャン・ナイト・じゃん
(スーパーヅガン ED)

歌・三波春夫
作詞・三波春夫 作曲・CHOKKAKU 編曲・CHOKKAKU

急ぐな 騒ぐな あわてるな
パイをつかめば 戦国ロマンの夢が湧く
運賦 天賦とリーチを賭ける
止めてくれるな トイメンさん
ズカーンと 行かねばならぬのだ


片山まさゆきの麻雀ギャグマンガ・スーパーヅガン、主題歌を歌うのは故・三波春夫。三波春夫といえば「ルパン音頭」や「しんちゃん音頭」などアニソンでも音頭モノが多い中、コレはひと味違った。ハウスミュージックにコブシがきいたラップを乗せたこの曲は、当時おもろい曲だわ〜程度にしか思ってなかったのが今聞いてみると90年代初頭にしてそのセンスは超々先鋭的。電気グルーヴともコラボレーションしてみせたりと、老いてなお新しいサウンドを追い求めてた三波春夫の衰えない創作意欲がうかがえますな。(は)



風の戦士
(風魔の小次郎 最終章 風魔反乱篇 OP)

歌・三浦秀美
作詞・車田正美 作曲・今泉敏郎 編曲・今泉敏郎

荒野を切り裂き 風が行く
遠い星の白夜のような まごころさえも凍てつくよ
こんな時代に 何を信じて さすらい続けるのか…


90年に『聖闘士星矢』がVジャンプ創刊号でいきなり最終回を迎えた後も、同人界で車田作品の人気は根強く続き(その影で『サイレントナイト翔』が即打ちきり、車田正美がジャンプを永遠に去ったのもこの年)『風魔の小次郎』も星矢で好評だった荒木伸吾・姫野美智コンビの手によるOVAシリーズがリリースされてました。原作者自らが作詞したその主題歌は、「Gatherway」の三浦秀美が荒涼としたムードの果てに希望を歌い上げる知られざる名曲。で、作曲の今泉敏郎ってどなた?と思って調べてみたら、五木ひろしや細川たかしの曲を多数手がけたアレンジャーのようで…どういう人選だ。
今聴くなら、なぜか風小次関連の曲が充実してる80年代ジャンプアニメの主題歌を集めたアルバム『輝け!週刊少年アニメ王 80’s』に収録されてます。
(は)




ムーンライト伝説
(美少女戦士セーラームーン OP)

歌・DARI
作詞・小田佳奈子 作曲・小諸鉄矢 編曲・池田大介

ゴメンね 素直じゃなくて
夢の中なら云える
思考回路はショート寸前
今すぐ 会いたいよ


PEROさんも書いていたように宮崎事件以来世間の風当たりは強く(最も、数年後にゃマスコミもものすごい勢いですり寄ってくるんですが)アニメではトルーパーやシュラト、マンガではCLAMPに高河ゆんとウーマンパワーがぶいぶい言わせてたこの頃のオタク界で、なんとなく満たされなかったヤローの前に現れた救世主がセーラームーン。セーラー服美少女戦士が闘う!という強烈なビジュアルイメージは野郎どものハートに火を点け、アニメージュの人気投票で亜美ちゃんがナウシカを破り、本格的に女性声優のブームも始まるわと政権奪取する勢い。自分も遅ればせながら、レイちゃん初登場の回からは全話録画してたよ!とオタクの歴史を変えたセーラームーンは本来のターゲット・小さい女の子にも大人気で、もはや語ることもないこの主題歌も少女マンガ的なロマンスに溢れてます。実はビーイング制作のこの曲、ボツになった一般曲をリメイクしてセーラームーンの主題歌にあてたとは信じられないハマりっぷりでした。(は)

この年の最後は、やはりこの曲で締めるしかないでしょう。しーはつさん達の世代の感覚では「90年代は不況を既に脱し、全然勢いあった」という話だが、90年代初頭当時、アニメから離れていたボクにはそういう実感は全くなかった。きっとこれがヌルい一般大人の感覚だと思う。このズレが何に起因するかというと、当時は子供向けと大人向け、男向けと女向けという風にジャンル分化が進み、そこにオタクに対するネガティブな空気のなかで、アニメ界の分断・専門化が進行していたからだと思われる。一方、全ての人が楽しめるような作品がとんとなかった。このまま行くとアニメ界全体がセクト化してしまう。そんな危機を救った怪物アニメが、この『セーラームーン』だ。この作品が老若男女、オタクから普通の人まで全ての人を結びつけ、一気にアニメ界に大きな柱ができた。未だに新作が作られるセーラー戦士たちの活躍が90年代のアニメを救ったと言ってもいいだろう。でも、オラは見てなかったけどな!ああ〜俺のバカバカ。(P)

 

inserted by FC2 system